「おんな紹介してくれぇぇぇぇぃ…」と、ライスのコントばりに友達に懇願した17歳。
男子校に通っていた当時の僕は、”ぞし”との出会いを求めて彷徨っていた。
* ぞし = 女子
ある日、なんとかその友人が、ぞしを紹介してくれるという事になった。
駅前の待ち合わせにやってきた女の子。
すらっと背が高く、笑顔も素敵。
良く話し、良く笑う。
しっかりとしていて、話も合う。
そうして出会った僕たちは、散歩して買い物してラーメンをすすって、けらけら笑って帰りました。
お互いに、恋愛感情を抱くことは、まず無いという予感の元。
こんな出会いから20年以上、いまだ同じように友達で居れる事って、すごく不思議。
そんな彼女も今や3児の母。
赤ちゃんが生まれる度にオーダーしてくれるチャーム。
本人手書きの、名前と誕生日をレーザーで彫り込んでおります。
シルバーを無造作に溶かし、ゴツゴツと叩きこんだシルバーのプレート。
産まれてから初めて対面した時の、ぷるんとしたイメージ、果実のようで種のようなイメージをフォルムに表しております。
3人が足に付けてくれている写真。
それぞれの持つそれぞれの形があって、とても素敵。
僕自身にも、創作の原点に返らせてくれるようなお仕事でした。
あれやこれやとこねくり回さなくても、カッコいいものは作れるのだな、と改めて。
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