オーダー : リング



2016年、最も頭を悩ませたであろうオーダーのひとつ、超重量感のあるリングです。
持ち込みテーマは、『着けていると、ジミヘンのギターが弾けそうなリング。』
弾けるかどうかは練習次第!であるのは間違いないのだけれど、ギターを弾いててサマになるリングを目指しました。
写真ではなかなか伝わり辛いのですが、実はこのリング、40号近くにもなります。
ご依頼主がかなり手の大きい方で、その分、リングの太さや幅やデザインに相当なインパクトが無いと負けてしまう。
僕の同じ指のサイズが21号ぐらいですので、僕の手に合わせてみて雰囲気を掴む事もしにくい。

①ジミヘン → まともに聴いた事がない
②重量感のあるメンズのリング → 作った事がない
③サイズが規格外 → 採寸や仕上げサイズが難しい

さぁ、難問だ。



幅18mmぐらいのシルバーの板にドンっ!と大きな銀のカタマリを配置。
その回りをこれでもか!というぐらい凹凸を付けて、あらゆる形のチャームを敷き詰めました。
これは、楽曲や、ライブの衣装、彼が着けているアクセサリーを観てイメージして。
甘くなってしまわない様に、なるべくゴツゴツとした、エッジの効いたチャームを散りばめております。



ジミヘンの事を調べてみると、彼はピックの持ち方が少し変わっていたらしく、人差し指の爪が常に欠けていたそうです。(僕は長らくギターから離れてしまっていますので、どう変わっているかは上手く解説できまへん…)
それぐらい弾けよなっ(笑)という意味も込めて、片側サイドにはその爪を、もう片側にはジミヘンが使っていたピックの形をトレースして縮小したものを配置しました。

お渡し後、指に通してもらうと、サイズもボリューム感も、手にピッタリ。
研磨直後の為、綺麗な銀色の現在ですが、このリングは数ヶ月後が見もの。
光沢のある銀が少しくすみ、凹凸部分に影が出始めた頃から、更にめちゃくちゃカッコ良くなる事でしょう!!


僕もまだまだやっていない事ややれる事がたくさんあるなぁ、と、しみじみひとり、完成したリングを眺めながら、ジミヘン聴いてタバコ吸ってウィスキー呑んで、そしてベロベロに酔いどれ、よたよたと帰路についた日が昨日のよう。

あー楽しかった!!

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