ハドルで初めて作らせて頂きました、24金(純金)のマリッジリング。
このお仕事は、初めて尽くしな事だらけ、本当にいろいろとお勉強になりました!
「お…おれ、い、いま、純金をさわってるんだ…」という緊張感。
「失敗したら、どエライ出費だぞっ!」という恐怖心。
そんな中での作業は、とてもとても楽しかったのです。
オーダー内容は、『24金のシンプルな甲丸のリング』。
それをお伺いした時に、ふと、遠回りな作り方をしてみようと思いました。
あえて、ほとんど機械を使わない作り方。
僕の中で、今までで最も原始的な作り方をしてみようと。
結果的に純金という、オーガニックな素材には、この作り方がマッチしていたと思う。
手作業であるが故の微妙な形状の歪みや光の揺れは、金の持つ独特な黄金色を、より身近なものに感じさせてくれる表情となってくれました。
今まで作業工程を撮ったことが無いのですが、今回は何故か記録に残したかったので、嫁さんに写真を取ってもらいました。
今後、ふと振り返ってみた時に、僕自身をハッ!とさせる意味も込めて!
① まずシルバーの原型を作る為に、銀を溶かす。
② 叩き延ばして、溶かして、延ばして、溶かして…
③ 四角柱を作る
④ それをさらに叩いて叩いて、どんどん角を落としてゆき、ボコボコの円柱を作る
⑤ 予備の意味も込め、3本制作。独特な表面質感。写真だけでも、硬く締まった感じが伝わる。
⑥ 緊張の瞬間、半分に切り割く!ここで中心からズレたら、①からやり直しっ!
⑦ この割いた2本の半円柱を繋ぎ、丸めてリング状に。
⑧ ハドルのアトリエの規模から見ても、ココは機械に任せざるを得ない所。。。
型取り→24金へ。型取りして純金に上がったばかりの状態。表面の凹凸はまだしっかりと残っている。
➈ココは写真撮っていない…一番時間と根気の必要だった工程なのに!
ボコボコした表面のリングに、キズひとつないヘラ(鋼鉄の丸箸みたいなもの)を、ひたすら表面に力を込めて当て込む。
これは柔らかい24金の表面を圧縮して硬化させる意味もあるのだけれど、と同時に、ボコついた表面を滑らかに成形させる工程。
ハンマーの鎚目をひと山ひと山、ヘラ1本で丁寧に消してゆく。
はっきり言って、市販されている甲丸の線を削るだけで、この表情を作る事は出来ます。
それがダメだと言う事では全くなくて、それは、わざとデザインをすると言うこと。
ハドルはそれをやり続けてきたし、これからもやってゆく事です。
このリングの表情には、わざとらしさも無ければ、違和感も無い。
こんなリング、オレも着けたいなぁ…と僕の手を離れてからずっと、想い続けています。ここのところ。
(左) K24 ¥200,000- (税抜)
(右) K24 ¥150,000- (税抜)
* 価格はサイズや製作時の金・プラチナ相場により、変動いたします。
ちなみにオーダーを頂いたこの方、茅葺の職人さん。
このリングを着けた瞬間、「このリング、暖かい。。。」とつぶやいちゃうするどい感性の持ち主。
確かに。
純金って、そう言われれば、なぜだか暖かいのです。
神戸市北区の淡河に拠点を置き、かやぶきの保存と再生に力を注いでおられる、大変素晴らしく面白いご夫婦です。
要チェケラ!(元ヒップホッパーだと、本人が言うとりましたので!)
淡河かやぶき屋根保存会 くさかんむり
http://www.kusa-kanmuri.jp/