マリッジリング、第6作目、初めてタイトルが付きました。
個人的にもある意味、歴史的な1作。
遠く、島根の地からはるばるやって来て頂いた、さわやか、且つ、おもしろ夫妻。
マリッジリングを作りに、わざわざ神戸まで。
本当にうれしい限り!
いろいろと過去のマリッジリングの作品をお見せして、ふと夫妻の目に留まったのが、コレ。
記事にも書いてあるが、実は僕が作ったのではなく、教室でダンナさまが作られた一品。
個人的にも、一周してある意味ではこんなリングに辿り着きたいと思う程、絶妙なまでの不均一感やヘタウマ感があるのです。
確かにめちゃくちゃカッコイイ。
しかし、一定の叩き方の染み付いた僕には、出せそうで出せないラインなのです。
すると、ご依頼主からのご提案が。
『左手で叩いてみませんか?』
おもしろい。
今までまったく無かった発想。
やってみると、確かに思いっきり不器用だ。
力も上手く伝わらないし、めちゃくちゃ疲れるし、何より狙ったところに全く金鎚が当たらない。
しかし、みるみるするうちに、僕の思い描いていたヘタウマ感が現れてきたのです!
そのヨワヘタな鎚目にマットゴールド仕上げの磨きをかけ、不揃いさと誠実さを併せ持ったリングに。
そんなこんなで産まれたこの『MY LEFT HAND』、誠にカッコよろし!
そして、、、
なんと内側のリングの彫字、ヘタウマならぬ、ヘタな僕の手書き!
本来なら規定のフォント数種類の中からお選び頂くのですが、オーダーシートに書き込んだ僕のフニャフニャした字を見て、この字がイイと。
しかもデータ取り込みで別料金が掛かってしまうのですが、ご承諾。
何とも大胆かつ勇気ある行動に、実は嬉しかったり!
そんなこんなで、初めてづくしのこのマリッジリングでした。
やっぱり、オーダーでマリッジリングを作るのは楽しい。
ご依頼主がこだわればこだわるほど、そこは想像力と創造力のコブが生まれる。
そのコブがやがて山となり、山脈となり。
その山々を乗り越えるからこそ、大きな達成感が生まれるのだと思うのです。
material : K18 Pink Gold
¥50,000- + ¥5,000- (手書きデータ取り込み)/本 (ともに税抜)