ある日、机の上にころんと転がった端材をふと眺めた。
ボッコボコに叩き込んだシルバーのプレート。
親指の爪ほどの大きさで、正方形でもなく、菱形でも台形でもない四角形。
焼きが入っており、少し黒みがかっている。鉄板の汚れも付いているのかも。
ネックレスだかバングルだか、叩いたプレートのいち部分をカットしたのか、とにかくその時点では不必要なただの端材。
しかし大きさ・形・薄さ・質感、めちゃくちゃカッコイイ。
絶妙なバランス。
なぜか妙に惹きつけられてしまった。
意味不明な圧倒感がそこにはあった。
スキな物・スキな人・スキな音楽・スキな色・・・
よくよく考えると、そのスキの初動は『なんとなく』な事がほとんどなのだと思う。
今回は、『なんかイイ』を常に念頭に置いて製作しました。
おそらくこれは、僕たちのゴールに程近い感覚なのだと思う。
やっとゴールに向かうスタートラインに立てました。
なんとなくスキになってもらえると嬉しく思います。
センテニアル 永藤博胤